【美術】 「版画」 の “種類”

絵画

版画の種類?

前回記事を書いたように、展示会で絵を見るようになりましたが、気になるようになった点があります。
技法の所に係れている、「リトグラフ」や「ジクレ」、「シルクスクリーン」です。

版画の種類の事だとは、知っていますが、イマイチよくわかっていません。
ということで、調べてみるコトにしました。

リトグラフ

展示会で一番目にした技法です。
初めて見たときは、グラフ?
何か、線的な物で描いているのか?くらいにしか思っていませんでした。

さて特徴です

・名前の由来は、ギリシャ語の石を意味する「lithos」
・元々”石灰石”を使っていた…ので、「石版」と表記されることもあある(現在は、石灰石より入手しやすいアルミや亜鉛合金などの金属板が一般的)
・18世紀末にドイツ出身のアロイス・ゼネフェルダー(Johann Alois Senefelder 1771年11月6日プラハ生まれ – 1834年2月26日ミュンヘンで没)が偶然原理を発見したことが始まり
・楽譜の複製に使われていましたが、後に絵画でも使われるようになった
・原理…(簡単に言うと)油が水を弾く性質を利用した平版形式の版画

版画と聞くと、凸凹な板にインクをつけて、紙に移すことが思い浮かぶと思います。
が、リトグラフは、水性インクを付けたくないところには、油性クレヨンでマスクをして、水と油の反発作用を利用した版画になります。

つまり、板に凸凹の加工をする必要がありません。
(だから「平版画」と呼ばれているんですね。)

板に凸凹の加工をしなくて済むので、作家がこの板の加工をする手間が省けます。
材料が木だった場合腐食の心配もありますが、リトグラフだとその心配も不要となります。

リトグラフは描画したものがそのまま版になるので、凸版・凹版ではできなかった表現(Ex:クレヨンの風合い・線の強弱・筆の滲み、飛ばしたインク…)ができ、紙に絵を描く感覚で表現することが可能です。
代表的な画家は、アルフォンス・ミュシャ、ロートレックですね。(両方とも、美術館に見に行きました。)

国立美術館(だったかな?)で、リトグラフの工程の動画を見たことあります。
当時は、ただの版画の工程?くらいにしか思っていませんでした…。

後々リトグラフの動画だと知って、もっとちゃんと見ておけば…。
となりました。

ちなみに、美術館のとは違いますけど、工程の動画がYouTubeにありましたので、参考に載せておきますね。

シルクスクリーン

・孔版印刷の一種…メッシュ状の版に孔(あな)を作り、孔の部分にだけインクを落として印刷するとてもシンプルな印刷方法

・フランス語:serigraphie、英語:silkscreen
・その名の通り、昔はシルク(絹)で昔は絹の布が孔版画のメッシュの材料として使われた(現在は、ナイロン等のフィルムに感光剤などで図版を謄写)
・ハーフトーンを表現する事が出来ない ⇔ メリハリの利いた作品に向く技法
(ハーフトーン…ぼかしのこと。)
・一版で一色しか表現できない → 多色の作品は多数の版で何回も刷る必要がある=リトグラフよりコストが掛かる
・しみ込んでいるリトグラフとは違い、モノに色を載せている状態なので、保存方法等によっては、波打ちしやすい
・いろんな物に印刷できるので、身近なものですとTシャツやトートバッグ、生地などの布製品、自動販売機やリモコン等にも使われている

イメージとしては、昔流行ったプリントゴッコですかね。
これを、1色1色ごとに、レイヤーで分けた感じ。

自分でもTシャツに印刷できる、シルクスクリーン キットも発売されていました。
自分で作る人って、こういうので作成してたんですね。

シルクスクリーンについての動画を発見したので、参考に載せておきますね。

ジクレ(ジクリー)

・最新のコンピュータ技術(デジタルカメラとスキャナー技術)を駆使して作成されるハイテクな高画質印刷による版画
・フランス語:giclee…インクの吹き付け(スプレー)の意味(綴りから、ジクリーの方が原語に近い気がしますね)
・インクジェットプリンターから大きさ15μ(人間の赤血球ぐらいの大きさ)のシアン、マジェンタ、イエロー、ブラックの4色の粒子を吹き付けて作成…家にあるプリンターと同じですね
・水性のインクを使用 → 通常表面は乾燥した感じに仕上がる → 見た感じはリトグラフに近い感じになる

ジクレだと、安いものがありましたが、プリンターで出来るから安かったのかな?とちょっと納得。
プリンターで印刷となると、美術品というより、工業品な気もしますね。
商業絵画だと考えると納得。
でも、絵画が身近になるのは、いいことのようにも思えます。

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