どんな資格?
厚生労働省のHPによると
”解体・改修工事を行う際には、その規模の大小にかかわらず工事前に解体・改修作業に係る部分の全ての材料について、石綿(アスベスト)含有の有無の事前調査を行う必要があります。”
んでもって、
”事業者は、建築物、工作物又は鋼製の船舶の解体又は改修(封じ込め又は囲い込みを含む。)の作業(以下「解体等の作業」という。)を行うときは、石綿による労働者の健康障害を防止するため、あらかじめ、当該建築物、工作物又は船舶(それぞれ解体等の作業に係る部分に限る。)について、石綿等の使用の有無を調査(以下「事前調査」という。)しなければなりません(石綿則第3条)。”
とあります。
建物の解体をするときに、石綿がありそうなときは、調査が必要で、その調査するにも資格が必要ということですかね。
きっかけ
昨年、”賃貸住宅メンテナンス主任者”を取りました。
この資格の動画講習で、”石綿含有建材調査者”という資格があることを知りました。
最近できた資格っぽい?
ので早速取りました。
一般?一戸建て?
受講するにあたり、種類がありました。
一般と一戸建てです。
何が違うねん?
・一般と一戸建てでは、事前調査を実施できる建物の範囲が異なります。
・一般は、全ての建築物の石綿事前調査を行うことができます。
・一戸建ては、一戸建て住宅及び共同住宅の住戸の専有部分のみ調査が可能。(店舗併用住宅や共同住宅の専有部分以外の部分(廊下やベランダなど)の事前調査ができない。)
ということで、”一般”の方を受けることにしました。
講習・試験について
試験機関:講習を実施しているところは沢山あり、厚生労働省で紹介しているので、リンクを付けます。
講習・試験日:講習を実施している機関によります。
受験料:テキスト込みで、49,500~55,000円程度(高!)
修了試験:択一マーク式80問
合格率:6~9割
合格基準:60%以上の得点率
講習時間:11時間
試験時間:100分
受験資格:下記参照して下し
申込方法:講習実施機関によります。(HPから申し込みだったり、FAXだったりします。)
サイトのアドレス:https://www.ishiwata.mhlw.go.jp/course/
受験資格
この資格を取るにはいくつかの条件がありました。
(↓の建築物石綿含有建材調査者講習登録規程第7条がそれにあたります。)
https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/sekimen/hourei/dl/koku09-01b.pdf
…よくわからないですよね?
ざっくりいうとこんな感じ。
資格者 | |
1 | 石綿作業主任者技能講習修了者 |
2 | 大学において、建築に関する課程を修めて卒業した後、建築に関して2年以上の実務経験を有する者 |
3 | 短期大学において、建築に関する課程を修めて卒業した後、建築に関して3年以上の実務経験を有する者 |
4 | 高等学校または中等教育学校において、建築に関する課程を修めて卒業した後、建築に関して、7年以上の実務経験を有する者 |
5 | 建築に関して11年以上の実務経験を有する者 |
6 | 特定化学物質等作業主任者技能講習を修了した者で、建築物石綿含有建材調査に関して5年以上の実務経験を有する者 |
このどこかに当てはまらないと、受講ができません…。
ということで、受験資格を得るために、まずは”石綿作業主任者”を取りました。

ちょっと長い道のりでしたね。
使用テキスト
受講当日に、このテキストが渡されました。
石綿作業者は、持っておきたいですね。

講習内容
全部で、11hになります。
最後の修了試験を含んで、2日間に日程になります。
(講習機関によっては、試験日は別日にに設定されて、全部で3日かかるところもりますね。)
参考までに、私の受講したことろのカリキュラムを紹介します。
1日目 | 項目 |
9:00~9:30 | 受付 |
9:30~9:40 | 受講ガイダンス |
9:40~10:40 | 第1講座「建築物石綿含有建材調査に関する基礎知識」① |
10:40~10:50 | 休憩 |
10:50~11:50 | 第1講座「建築物石綿含有建材調査に関する基礎知識」② |
11:50~12:50 | 昼休み |
12:50~13:40 | 第2講座「石綿含有建材の建築図面調査」① |
13:40~13:50 | 休憩 |
13:50~14:40 | 第2講座「石綿含有建材の建築図面調査」② |
14:40~14:50 | 休憩 |
14:50~15:55 | 第2講座「石綿含有建材の建築図面調査」③ |
15:55~16:05 | 休憩 |
16:05~17:20 | 第2講座「石綿含有建材の建築図面調査」④ |
17:20~17:25 | 休憩 |
17:25~17:40 | LIVE「質疑応答」 |
2日目 | 項目 |
9:00~9:30 | 受付 |
9:30~10:20 | 第3講座「現場調査の実際と留意点(調査・試料採取)」①-1 |
10:20~10:30 | 休憩 |
10:30~11:25 | 第3講座「現場調査の実際と留意点(調査・試料採取)」①-2 |
11:25~11:35 | 休憩 |
11:35~12:30 | 第3講座「現場調査の実際と留意点(調査・試料採取)」② |
12:30~13:30 | 昼休み |
13:30~14:50 | 第3講座「現場調査の実際と留意点(労働安全衛生・分析)」③ |
14:50~15:00 | 休憩 |
15:00~16:00 | 第4講座「建築物石綿含有建材調査報告書作成」 |
16:00~16:10 | 休憩 |
16:10~16:15 | LIVE「質疑応答」 |
16:15~16:25 | 休憩 |
16:25~16:30 | 修了考査ガイダンス |
16:30~17:50 | 修了考査 |
講師の方が「ここは大事ですので、線を引いてください。」
と言ってくれる場合は良かったのですが、人によっては、ただ資料を読むだけの人も…。
これは、どこが大事だかわかりませんでしたね。
しかも、画面に映し出される画像も、テキストのコピー。
テキストの太字をそのまま太字で出しているだけだと、重要ポイントだらけになってどこが試験に出るのかよくわかりません…。
抑揚のないしゃべり方の講師もいて、ただただ眠いだけでした。
この人もどこがポイントかよくわかりませんでしたね。
勉強方法
過去問がサイトにありましたので、過去5年分を5回解きました。
これで、40/80問は、ほぼカバーできます。
というか、1度でも解いておかないと、時間的に結構きついです。
あとは、ポイントをちゃんとポイントと言ってくれたところの箇所のまとめをワードでしました。
参考に一部書きますね。
歴史(これは絶対に覚えておいてください)
1975(S50)年:①石綿吹き付け作業の禁止、③規制対象となる含有率(重量5%超)
1995(H7)年:アモサイト、クラシドライトの製造、輸入などの禁止
2004(H16)年:建築材等10品目の製造、使用等の禁止
2005(H17)年:建築物等の解体などの作業における事前調査、石綿吹き付け作業の全面禁止
2006(H18):規制対象となる含有率(重量0.1%超)
2012(H24)年:石綿含有性遺品の製造等の全面禁止
2017(H29)年:環境省から、リスクコミュニケーションガイドラインが公表
石綿のリスク
①暴露量と石綿濃度…石綿の濃度は、一定容積あたりの石綿の本数で示す。
②暴露量=暴露濃度×暴露期間(年)
③暴露量増加 → リスク増加(量-反応関係)
短繊維の直径は、0.02㎛と極めて微細
耐火構造の指定番号と認定番号は、2000(H12)年前後で違う
防火材料の要求時間
不燃材料…20分間
準不燃材料…10分間
何円材料…5分間
その他
外殻に対する制限:延焼のおそれのある部分…隣地境界線及び道路の中心線より1階…3m以内、2階以上…5m以内
設計図等により、新築工事の着工日が2006(H18)年9月1日以降であることが確認できた場合は、事前調査は終了となる
石綿含有建材調査は、資料入手 → 書面調査 → 現地での目視調査
“概略平面図は、①通り芯、②柱、壁、出入り口、③室名 の順に書きとどめ、④ 防火戸や階段室、エレベーターシャフトなどの防火区画、⑤方位 を記入するとよい”
修了試験
思ったよりも難したっかです。
「調査票試験問題」というのが半分ありますが、写真と材料名を見て、石綿材料建材のLvを判断しなければならなりません。
ので、どのLvにどんな石綿の種類があるか把握しておく必要があります。
この表のものは、絶対に覚えてください!
建材の種類 | 石綿含有吹付け材(Lv1) | 石綿含有保温材(Lv2) |
石綿含有材 | 吹付け石綿 石綿含有吹き付けロックウール 石綿含有吹き付けバーミキュライト 石綿含有吹き付けパーライト トムレックス | 石綿含有耐火被覆板 石綿含有煙突団結材 石綿含有屋根用織板裏断熱材 石綿含有配管保温材 フェルトン カポスタック ニューカポスタック |
発じん性 | 著しく高い | 高い |
結果・終了
試験後2週間程度したら、合格通知がメールで来ました。
その後、3週間後に修了証明書が届きました。